手作りCNCフライス〔本体ハードウェア編〕



高校生の時に工場で大型CNCフライスを見たときに「いつか大人になったらこれを買うんだ!」と思い続けて早十ン年、広さ的な問題と金額的な問題でだいぶダウンサイジングされた規模にはなりますが、やっと金銭的やスキル的になんとかなりそうなメドが立ちましたので、自作しました。

フライスとは、金属の刃物を高速で回転し、XYZ(それ以上もあり)軸方向で動かすことで、金属や樹脂を削って加工する業務用機です。

最初に設計を始めたのが2011年頃からで、ヤフオクで中古部品を買ったり、秋葉原で出物を入手したりと細々とやってきた感じです。

形としてはホビー用CNCでは一般的な、ベットが固定でスピンドル部が動くタイプです。今回こだわった点は、Z軸方向の広さ(100mm)とCoolant(油ドバドバ)の使用を前提とすることです。Auto tool changerも盛り込みたかったですが、今回は断念。

駆動には、産業用ACサーボモータを採用。一般的にホビー用CNCではステッピングモータが使われますが、ヤフオクで安く手に入ったのでサーボモータを使ってみました。サーボモータを使う利点は、脱調がなく高速移動が可能という事に尽きると思います。音も静かです。ですが、モーター自体に複雑な設定が必要で「お手軽」ではありませんので素人にはおすすめできません。わしゃプロよ(震え声

Coolantに対応するには、油の排出口と外に流れ出ないように囲いが必要です。それも設計にいれました。(図面には囲いは書いてありません)


図面通りにアルミ板を加工していきます。

Z軸が組みあがったところ。

とプラモデルのように簡単にいきません。リニアガイドとボールベアリングとの高さが誤差0.1mm以下になるように調整しないと、スムーズに動きません。寿命・精度・騒音に影響します。0.1mm単位の高さの違う銅板をいくつか用意し、ちょうど良い高さを試していきます。0.1mm以下の銅板が手に入らなかったのですが、バイスでギュッと挟むと作れます。
リン青銅板 ボールねじ高さ調整

それでも、うまく動かない時には叩いたりひねったり祈ったりすると、何とかなりました。物を作るたびに、祈りスキルが上がるような気がします。

Y軸の組立

X軸とY軸を組み合わせたところ。赤線のところが直角になるように組立ます。
YZ軸組立

台を買いました。どこに置こうか悩みましたが、「家庭用」ですので(床を掃除したいので)、固定せず動かせる事を考えてこれです。ちょっと知った人には「足が車輪!?バーッキャロー!!!フライスは重心を低くして固定すんのが、あったりまえだろー!!」と怒られそうですが、いいんです。家庭用だもの。精度より使い勝手(いいわけ)
サカエの台CNCフライス材料

 

X軸の組立です。台にもなる部分なので、大きい。ここに切削油がドバドバ掛る予定ですので、無駄な穴(間違えて開けた穴。。。。)はパテで塞ぎます。
アルミ板

板の側面を基準に、並行にリニアガイドを設置します。リニアガイドの端と端で、ダイアルゲージの値が同じようにリニアガイドのレールを設置します。Z軸・Y軸の時には、写真を撮り忘れましたが、この工程を踏んでいます。
リニアガイド設置

もう片方のリニアガイドも並行に調整します。
リニアガイド並行出し

リニアガイドにスペーサーを付け、ボールねじを組み付けます。この時点では、下側ボールねじは仮止めです。
LMリニア取り付け ボールねじ取り付け

渡り板を組み付け、ボールねじを回してみて動きを確認します。動きに問題なければボールねじを本締めしますが、締めると大体動きが悪くなります。また緩めたり閉めたり叩いたり祈ったり板を入れたりして調整します。左右に伸びている2本のバーは、テーブルの中央がたわまないように補強用です。
台座

組みあがった感じ。まあ、いいんでないの(だいぶ心躍っているけどな)
CNCフライス台座完成 LMガイド

リミットスイッチも組み付けます。
リミットスイッチリミットスイッチ

モータのテストをします。考えてみたら、ヤフオクで購入してから全くテストしていなかったですが、これが動かないとなるといろいろ台無しです。Arduinoでテスト信号を出すプログラムを書いてつないでみたらあっけなく動きました。
写真 2015-04-16 1 03 51

本体にモータを組み付けます。モーターとボールねじの間にあるものはカップリングです。半特注品ですのでそれなりのお値段がいたしました。
サーボモーターとカップリング

裏返してアルミフレームを組み付けます。これも並行に。動画は、調整前の状態です。メーターが動いていますので、これが動かなくなるように調整します。

YouTube Preview Image

一つが決まれば、あとはそれに沿わして組み付けるだけです。
アルミフレーム

Z・Y軸を組み付けたところ。物が出来上がってくるとテンションが上がります。
CNCフライス仮組み

スキマに切削油が入らないようにシール剤を塗ります。一応、耐油性のあるシリコーンです。果たしてどこまで効果があるのか。。。。
シール剤

切削油は溝で受け、ホースを伝わり回収・循環します。本体が斜めになっているため、ここに集まる予定です。大きな切子はホースを通りませんので、粗いアミを張る予定です。
排油口


 

次は、このスピンドルの固定具を作ります。
スピンドル

材料は、Φ200のアルミ丸棒。この8割ほどを削るのでもったいない。。。。
アルミ丸棒

 

旋盤で削っていきます。
旋盤1

内側を削り、中空にしていきます。
旋盤2

出来たところ
旋盤3

爪でつかんでいる余分なところを切り、パイプ状にします。
○

半分に割り、ねじ止めできるように加工します。
○

本体とねじ止めする板を付ければ完成です。
スピンドルホルダ

 

他の軸にもモータを取り付ければとりあえず完成です。

次はコントローラー編です。

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