名刺基板の作り方
おめでとうございます!
この名刺は、イチロヲがお世話になっている方、関係を深めたい方、ビビッと来た方、あとフィーリングで、適当な感じで、お酒を飲んで訳わからなくなっている状態で、などお配りしています。非常にレアなアイテムとなっておりますので、持っている方には幸運が訪れるとか(未確認)
この名刺は、電子部品をはんだづけすればATmega32U4マイコンボードになり、Arduinoのブートローダーを書き込めばArduino互換機として使用できます。シールドも使用できます。部品を集めてこの基板を組み立てたいという奇特な方に向けて作り方を書きます。
※おやくそく:この名刺を使用して、事故・けが・機器類の故障などがあっても、当方は一切責任を負いません。組立の際は細心の注意の上、自己責任にてお使いください。
必要な道具
- はんだこて(10W~20Wぐらい)
- 糸はんだ(細いヤツ)
- はんだ吸い取り線(あるとリカバリーが楽)
- ピンセット(先が細くて高いヤツ)
- フラックス(あると便利)
- ルーペ(×10ぐらい)
- テスター
- エタノール(フラックスを拭く時に使います)
- 綿棒
- AVRライター(Arduino互換機にする場合。AVRISP mkIIとか)
- ピンヘッダー(AVRライターを使う場合の部品。こんなのとか)
必要な部品
記号 | 名称 | 型番 |
---|---|---|
C1 C2 | 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ,SP-Cap,25V 10μF | EEFCS1E100R |
C3 C4 C5 | 積層セラミックコンデンサ,25V,1μF,±10% | GRM31C5C1H104JA01L |
C6 C7 C8 C9 | 積層セラミックコンデンサ,50V,0.1μF,±5% | GRM31C5C1H104JA01L |
C10 C11 | 積層セラミックコンデンサ,50V,12pF,±1% | GRM1885C1H120FA01D |
D1 D2 | DiodesZetex ショットキーバリアダイオード, 1A, 40V, 2-Pin SOD-123 | 1N5819HW-7-F |
D3 | Kingbright 可視光LED オレンジ 601 nm, 3216 (3.2 x 1.6 x 1.1mm) | KP-3216SECK |
D4 | Kingbright 可視光LED 赤 630 nm, 3216 (3.2 x 1.6 x 1.1mm) | KP-3216SURCK |
D5 | Kingbright 可視光LED 緑 570 nm, 3216 (3.2 x 1.6 x 1.1mm) | KP-3216CGCK |
D6 D7 | オスラム 可視光LED アンバー 615 nm, 0603 | LA L296-P2R1-1 |
F1 | 表面実装 リセッタブルヒューズ 1A, 15 V | MF-MSMF050-2 |
P1 | Micro USB 2.0 connector, B receptacle | ZX62D-B-5PA8 |
R1 R2 | 厚膜チップ抵抗器, 2012サイズ, 0.125W, 22Ω, ±1% | CRG0805F22R |
R3 R4 | 厚膜チップ抵抗器, 2012サイズ, 0.125W, 10kΩ, ±1% | CRG0805F10K |
R5 R6 R7 R8 R9 | 厚膜チップ抵抗器, 2012サイズ, 0.125W, 1kΩ, ±1% | CRG0805F1K0 |
U1 | LDO電圧レギュレータ 0.5A, 3.3 V 固定出力, 2.5~12 V入力, 5-Pin SOT-23 | MIC5219-3.3YM5 TR |
U2 | 8ビット RISC マイコン ATmega AVR, 16MHz, 1 kB、32 kB フラッシュ, 2.5 kB RAM, 44-Pin TQFP | ATMEGA32U4-AU |
Y1 | 水晶振動子 16MHz 基本波, 2-Pin SMD | 7A-16.000MAHE-T |
えっと。使う部品代だと1800円ぐらいですが、1個2個で買えない部品もあるので、9000円ぐらい行くと思います。作る人いるのかコレ。。。。。。。。。
さて。
肩慣らしに抵抗(R)からはんだづけしていきましょう。
敷いてあるマットの ・ と ・ の間は2mmです。ピンセットで取り扱いましょう。
はんだづけする部分に合わせてみて、はんだづけされた状態イメージします。それと部品があっているかを入念に確認します。
部品の端子部分にフラックスを塗り、ピンセットでそっと近づけパッドのはんだをはんだコテで溶かしてそっと置きます。たぶん息を止めた方がうまくいくデリケートな作業です。
位置を確認します。曲がったり、反対側のパッドに届いていない場合は、この時点で直します。特に部品が浮いている事がありますので、押し付けてはんだづけします。
問題がなければ、反対側もフラックスを塗り、はんだづけをします。
エタノールを含ませた綿棒でフラックスを拭いて最終的に確認します。
はんだを盛りすぎた場合は、はんだ吸い取り線を使い量を調整します。
R1~R9をはんだづけして、こなれてきたらマイコン(U2)を付けましょう。
端をはんだづけしてみて、パッドとICの足の位置を合わせましょう。
一列をはんだづけしたところ。ピンとピンの間がショートしないように、ルーペで念入りに確認します。
問題がなければ、全部のピンをはんだづけしましょう。
次に、USBコネクタを付けましょう。ある意味一番難しいかもしれません。
後のC1・C2・D1~D7以外は、部品の向きはありませんので、ガンガンつけていきます。
D3~D5はこの向き。わかりにくいので、ルーペで確認しましょう。
さて、最後に目をはんだづけしましょう。魂を入れる作業になりますので慎重に。
このLEDは小さくて分かりいにくいですが、向きを間違えないように。
電源を入れる前に、入念にチェックします。はんだブリッジが起こっていないか目視とテスターで確認します。特に電源回りはショートしていないかを確認します。ショートしているとパソコン側が壊れます。
さあUSB端子を接続して電源を入れましょう。いろいろ光りまが、ここで焦げ臭いにおいがしたら残念、ジ・エンドです。電源をすぐに外し、夕日に向かって叫びましょう。お疲れさまでした。
Arduino互換機にする方法
基板にはISPコネクタが付いていますので、ピンヘッダーを付けてAVRライターを接続します。
私は直接はんだづけするのがイヤだったので、プリント板二段重ね用コンスルーを用いて取り外し可能な治具を作りました。
2段重ねにして、接着剤で留めます。
AVRISP mkIIをPCに接続し、Atmel Studioを起動します。今回は7.0を使用しました。名刺には電源供給のMicroUSBも接続します。
「ツール」メニュー→「Device Programming」を開き、ToolとDeviceを選択し、「Apply」を押します。
「Fuses」を選択し、ヒューズビットを写真のように選択し、「Program」を押しマイコンに書き込みをします。
Arduino Leonardoのブートローダーをダウンロードし、マイコンに書き込みます。
「Program」をクリックして書き込みます。
うまく書き込めると左目だけLEDが光ります。
ここまでくると、りっぱなArduino互換機になったはずです。
Arduino IDEから、テストプログラムを書き込みましょう。
ボードはArduino Leonardoを選択し、ポートも選択します。
サンプルプログラム。PWMで両目が点滅します。
int meL = 13; int meR = 11; void setup() { pinMode(meL, OUTPUT); pinMode(meR, OUTPUT); } void loop() { for (int i=0; i <= 255; i++){ analogWrite(meL, i); analogWrite(meR, i); delay(2); } delay(1); for (int i=255; i >= 0; i--){ analogWrite(meL, i); analogWrite(meR, i); delay(2); } delay(50); }